カシス オレンジ 歌詞

夢見る少女じゃいられない

現実はお金も時間もない

オシャレしてデートに出かけたい

現実はパジャマ 家デート

愛されたくて吠えて

愛してるなんて言って

私を抱いてすぐ寝るの

もう飽きたわ もう飽きたわ

欲しかったのはね

「ゴメンね」じゃなくて

「楽しかった」のひと言でいいのよ

あなたのこと許してないよ

でも ちょっとだけ愛してる

変わったのは君がいないだけ

夢見る少女じゃいられない

現実はあなた他の子と

寝てる 寝てる

欲しかったのはね

「ゴメンね」じゃなくて

「楽しかった」のひと言でいいのよ

あなたのこと許してないよ

でも、ちょっとだけ愛してる

変わったのは君がいないだけ

聖なる夜に重ねた身体とウソ

恨んでないよ だって今も

欲しかったのはね

「ゴメンね」じゃなくて

「愛してる」のひと言でいいのよ

あなたのこと許してないよ

でも ちょっとだけ愛してる

変わったのは君がいないだけ

大人の階段とほろ苦い恋の味:Vaundy「カシスオレンジ」の歌詞が描く青春の残像

シンガーソングライター・Vaundyが手がけた楽曲「カシスオレンジ」は、そのメロディーのポップさと、若者のリアルな心情を映し出す歌詞のコントラストが魅力の一曲です。

カクテルの名前を冠したこの楽曲は、甘く飲みやすいけれど、確かにアルコール(毒)が含まれている「カシスオレンジ」のように、甘美な思い出の中に潜む、ほろ苦い後悔や切なさを描き出しています。

「カシスオレンジ」に託された青春の残像

歌詞は、過ぎ去った青春時代の記憶、特に恋の思い出を回想する形で展開します。

「カシスオレンジ」は、お酒を飲み始めたばかりの若者がよく注文する、甘くて飲みやすいカクテルです。このドリンクは、まだ大人になりきれない、危うさと純粋さが混在する時期の象徴として楽曲に登場します。

主人公は、かつて一緒にいた「君」のことを振り返ります。

君が口付けたグラスの淵から

あまりに綺麗な滴が見えた

この描写は、視覚的な美しさだけでなく、主人公が「君」に対して抱いていた、触れることのできない神聖さや憧れを暗示しています。グラスに残る水滴のように、二人の間にあった感情はクリアで綺麗なものでしたが、それはもう過去のものです。

「昔の僕を見るような優しい目」の切なさ

再会したらしい「君」は、主人公の知らない一面を持つ「大人の君」になっていることが示唆されます。

ここには僕の知らない大人の君がいて

それでも話すトーンは変わらないまま

君は昔の僕を見るような優しい目をして

「大人の君」の存在は、主人公がまだ過去の思い出に囚われているのに対し、「君」は確実に時を進め、変化していることを痛感させます。特に「昔の僕を見るような優しい目」という表現は、二人の間にできた時間の溝と、追いつけない切なさを際立たせます。「君」の中では、主人公はすでに過去の存在、大切だったけれど今はもう手に入らないものとして認識されているのです。

主人公の「僕は慌てて誤魔化すように」という描写からは、変われない自分を悟られまいとする、不器用でみじめな感情が読み取れます。

溶けていく氷と「赤い色」の記憶

終盤、切なさはさらに深まります。

僕はグラスを早めに空けて 君と揃えたカシスオレンジ

グラスの氷が溶けて薄まった

赤い色は君の手を引いた夕焼けみたいだ

グラスの氷が溶けて「カシスオレンジ」の味が薄まるように、二人の関係や思い出も時の流れとともに曖昧になっていく現実を表現しています。しかし、その薄まった「赤い色」が「君の手を引いた夕焼けみたいだ」と、美しい記憶の風景と重ね合わせることで、主人公にとってその思い出が、どれほど鮮烈で大切なものだったかが伝わってきます。

Vaundyの「カシスオレンジ」は、青春の甘酸っぱさと、大人になって初めて知る喪失感や後悔を、甘いカクテルの名前と繊細な言葉遣いで表現した楽曲です。この曲を聴くとき、私たちはグラスの底に沈んだ、ほろ苦い「記憶」という名のアルコールを味わうことになるでしょう。

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